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2022年01月04日 18:00
こんにちはENGI MAG編集部です!
今回ご紹介するベルツノガエルは、置物のようなかわいい佇まいと異例の飼いやすさで人気のカエルです。
ほとんどの種が生きた虫しか食べないカエルの仲間にあって、人工飼料だけで飼育できる数少ないカエルの一種でもあります。
毎日仕事で忙しいけれど、何かペットを飼いたい、という方にも強くオススメできるカエルです。
なお、今回は飼い方がまったく同じである、クランウェルツノガエルについてもご紹介しますね。
目次
ベルツノガエル(Ceratophrys ornata)は、中南米に棲息する地表性のカエルです。
自然下ではパンパと呼ばれる温帯草原に暮らし、体を半分地面に埋めた状態でじっとしています。
そして、目の前を通りかかった獲物を丸呑みしてしまうのです。
いつ獲物が目の前を通りかかってくれるかわからないため、いつでも満足に餌を食べられるわけではありません。
このため、非常に貪欲な性格をしており、口も大きく、自分の体と大して変わらないような大きさの相手でも食べてしまいます。
大型の個体では、アダルトサイズのマウスでも食べてしまうくらいです。
ペットショップや爬虫類・両生類専門店では、500円玉サイズくらいのベビーが販売されていることが多いですが、最終的には大人の両手をくっつけたくらいの大きさ(概ね10〜12cm前後、最大では15cmほど)になります。
オスの方がメスと比べて若干小さく(ツノガエル全般に共通しています)、10cm程度で止まることが多いです。
寿命は野生下では5〜8年程度、飼育下では概ね10〜15年程度で、最長で17年以上生きた例もあるそうです。
ベルツノガエルは特徴的な迷彩模様をもっていますが、より赤みが強いものが「赤ベル/レッドタイプ」などと呼ばれ、レア度も高く人気があり、一般的なベルツノガエルの値段が相場3,000〜6,000円程度なのに対し、赤ベルは赤の度合いによって7,000〜2万円程度になります。
特に、赤ベルの中でもほとんど緑の線がないものは超希少で、「フルレッド/パーフェクトレッド」などと呼ばれます。
日本ではベルツノガエルとクランウェルツノガエル(Ceratophrys cranwelli)が分けて販売されていますが、日本でベルツノガエルと呼ばれている個体はベルツノガエルとクランウェルツノガエルの交雑個体で、2種の交配が進められた結果、純血のベルツノガエルはいなくなったとも言われています。
(ネットなどでは純血のベルツノガエルが販売されていますが)
昔、上野動物園には純粋なベルツノガエルが飼われていたと言われているものの、これも定かではありません。
クランウェルツノガエル
よりベルツノガエルっぽい特徴をもったものがベルツノガエル、よりクランウェルツノガエルっぽい特徴をもったものがクランウェルツノガエルと呼ばれていることが多く、正直ほとんど見た目は一緒ですが、ベルツノガエルよりも、クランウェルツノガエルの方が目の上のツノがツノらしくしっかりと突起していて、口先がやや尖っています。
他にも、クランウェルツノガエルはベルツノガエルよりも多くの色彩変異個体が存在し、ペパーミントやライムグリーン、アルビノ、グリーンアップルなど様々な名前がついています。
ベルツノガエルもクランウェルツノガエルも、飼い方や餌は全く同じで、飼育は非常に容易です。
もっともシンプルな飼い方としては、プラケースにソイルなどの床材を敷き、ひたひたになるくらいの水を入れるだけです。
じっとしていると言いつつも、意外と夜間に脱走することがあるので、フタはきちんと閉めた方が安心です。
また、ほとんど動かないので、ケージはカエルの倍程度の底面積があれば十分です。
基本的には常温で飼えますが、寒い季節はケージの下面半分くらいのパネルヒーターを使うといいでしょう。
セッティングとしてはこれだけで飼えてしまうのですが、よほどカエルが好きじゃないとすぐに飽きてしまうと思います。
そこで、なるべく楽しく飼えるように工夫してみるといいでしょう。
たとえば、自分の気に入った容器で飼ってみる、なんていうこともできます。
ある意味、逃げられなくて世話ができる容器なら何でも使えるので、水槽にこだわる必要はありません。
また、ベルツノガエルの模様や体色には個性があるので、気に入った個体を集めてケージや容器を並べてみてもいいでしょう。
餌は基本的に、ツノガエル専用のフードを与えます。
これがすごいことで、このフードの発売がツノガエル飼育を一気に普及させたといっても過言ではありません。
それまでは大量にコオロギを食べさせたり金魚を食べさせたりマウスを食べさせたりと、大食漢なだけにちょっと大変だったのですが、人工フードだけで飼えるとわかった今では、餌で悩むことは皆無です。
メーカーによって、水で練って団子状にして与えるタイプ、ペレットをふやかして与えるタイプ、チューブから出してそのまま使えるタイプなどがあります。
私の場合、「グラブパイ」という、トカゲ用のフードを使っています。
粉を熱湯で練ってから冷やすと硬めのプリンのように固まり、それを一口大に切って与えるタイプのエサです。
ピンセットでつまんで目の前に差し出すだけで飛びついて食べてくれます。
実はマウスを与えると一気に大きくできるのですが、栄養価が高すぎて肥満化してしまうため、与えないほうがいいでしょう。
ツノガエル飼育において一番重要なのは、床材です。
ベルツノガエルは普段から床材に体を半分埋めたような状態ですごしているので、床材がそのまま生活の場となっています。
ショップでは、熱帯魚のフィルターに使われる「ウール」というスポンジを敷いていることがほとんどです。
ウールが白いためカエルの体色がわかりやすく、ウールを洗うだけでいいのでメンテナンスが簡単、しかも単価が安いので気軽に使い捨てにできる、と多くのメリットがありますが、個人的にはあまりオススメしません。
まず、多くの個体を扱うショップではウールのメリットが大きいのですが、個人で使うにはちょっと不経済です。
また、後ろ足でウールを掘って潜ろうとしたときに皮膚を傷つけてしまうこともあります。
私としては、「ソイル」という床材がオススメです。
もともとはアクアリウムの世界で、水草を育成するために開発されたものですが、現在はカエル用のものも売られています。
粒子の細かな泥を固めて作られていて、カエルが餌と一緒に飲み込んでも排出されるので安全です。
湿度維持がしやすく、カエルが潜り込んでも皮膚を傷つける心配がありません。
バクテリアが発生するため老廃物も分解してくれます。
ただし、半年くらいで粒がつぶれてドロドロになってしまうので、定期的な交換が必要です。
その他の床材についてはこちらの記事でまとめています。
ベルツノガエルの取り扱いがある店舗をいくつかご紹介いたします。
【公式サイト】http://home.att.ne.jp/apple/sol/seibutsudo/
【住所】〒166-0001 東京都杉並区阿佐谷4丁目9-19
【公式サイト】http://fish-japan.com/
【住所】〒166-0001 東京都杉並区阿佐谷4丁目9-19
【公式サイト】http://www.nuance.to/
【住所】〒315-0116 茨城県石岡市柿岡3698-1
ベルツノガエルは、やることがなさ過ぎるという点を除けば、飼いやすく場所をとらない、素晴らしいカエルです。
レイアウトを楽しんだりコレクションしたりと、いろいろな楽しみ方ができますが、まずは気に入った一匹を見つけ、じっくり飼い込んでみてくださいね。
それではまた!