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2022年10月24日 00:03
こんにちはENGI MAG編集部の塩むすびです!
定期的な散歩がいらず、鳴き声もうるさくない、家で愛でられるペットといえば、ハムスターを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実際飼いやすさやかわいらしさはピカイチで、ペットを飼ったことがない初心者にもオススメです。
ハムスターには大きく分けて、ゴールデンハムスターやキンクマハムスターと呼ばれる比較的大きめのものと、ドワーフハムスターと呼ばれる小型のものがいます。
どちらも同じハムスターですが、ケージの大きさ、エサの消費量などの飼いやすさから考えて、今回はドワーフハムスターの一種であるジャンガリアンハムスターについて、詳しく解説いたします。
目次
ジャンガリアンハムスター (Djungarian Hamster/和名ヒメキヌゲネズミ)は、カザフスタン共和国やシベリア、中国北部に生息するネズミの一種。
名前の由来となっているのは中国のジュンガル盆地(ジュンガリア=ジュンガルの土地という意味)ですが、野生のハムスターの多くはシベリアに分布しています。
小さくて丸っこいかわいらしい体型で、性格は基本的におとなしく人懐っこいため、ペットとして広く愛されている生き物です。
夜行性のイメージのあるハムスターですが、厳密に言うと薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)という、日が沈む夕暮れと日が昇る明け方、薄暗い時間帯に活発になる生き物です。
季節によって日の入り・日の出の時間が異なるのに加え個体差もありますが、ジャンガリアンハムスターの場合、概ね夏は朝5時前後と19時前後、冬は朝7時前後と17時前後に活動が活発になることが多いです。
なので日中同様、実は夜もずっと起きていないことも多く、15分程の短い睡眠を繰り返しながら1日合計12〜14時間程度寝るとされています。
ジャンガリアンハムスターは、小型のハムスターの総称であるドワーフハムスターの一種です。(ドワーフは「小さい」「小人」といった意味)
小型のドワーフハムスター以外は基本的に総称はなく、中型ハムスターは「ゴールデンハムスター(シリアンハムスター)」や「キンクマハムスター」など、大型ハムスターは「クロハラハムスター」などが有名です。
ドワーフハムスターにはジャンガリアンハムスターのほかに「ロボロフスキーハムスター」「キャンベルハムスター」「チャイニーズハムスター(モンゴルハムスター)」がおり、ロボロフスキーは身体が特に小さかったり、チャイニーズハムスターはしっぽが長いなどの差はありますが、いずれもわりと見た目は似ています。
毛色が豊富なのはキャンベルハムスターですが、こちらはやや気が強く、噛みつくことがあります。
ロボロフスキーハムスターは警戒心が強く、チャイニーズハムスターは一度怖がるとなつくまでに時間がかかるとされています。
野生種をはじめとした、多くのジャンガリアンハムスターは背中の濃い線が特徴ですが、品種改良によって毛色に種類が生まれました。
一般的に広く流通しているグレーに近い濃い茶色の「ノーマル(アグーチ/野生色)」、白っぽい「パールホワイト(より白みが強い場合はスノーホワイト)」、黄色っぽい「プディング(イエロージャンガリアン/アグーチイエローとも)」やや青みがかったグレーの「ブルーサファイア」など、毛色のバリエーションの豊かさも魅力のひとつです。
また比較的飼いやすい、人に慣れやすいとされているジャンガリアンハムスターですが、性格に個体差があったり、毛色によってもパールホワイトはやや警戒心が強め、プディングは肥満になりやすい、パールホワイト同士の交配はNGなど、若干の違いがあります。
毛色の違いだけでなく毛の柄にも、その名の通り真珠のような白さの「パール」、体毛やストライプが薄い「インペリアル」、白い斑点やシマシマ模様が出る「パイド」、色素がなく白い毛と赤い目が特徴の「アルビノ」などがあります。
ジャンガリアンハムスターの寿命は、自然下で約1年、飼育下で平均2~3年。
犬や猫と比べてしまうと、あまりにも短命に思えますが、それがハムスターの寿命です。
ペットショップでは、だいたいの生年月(「◯◯年◯◯月生まれ」など)が記載されていますので、それを参考にどれくらいお世話をしてあげられるか、想像してみてください。
ジャンガリアンハムスターは、自然下において天敵に見つからないようにするため、普段あまり鳴くことはありません。
鳴いても比較的小さな声ですが、嬉しいときには「キュキュッ」、怒っているときには「ジジッ」や「ジー」、驚いたときには「キュキュッ」、苦しいときには「キューキュー」などと鳴いたり、寝言を言うこともあります。
ジャンガリアンハムスターは体長7〜13cm・体重30〜45g程度と小さく、しっぽが短いのが特徴。
オスよりもメスのほうが1cm程度小さいことが多いです。
ジャンガリアンハムスターの販売価格は平均で1,000円〜2,000円ほどですが、ブリーダーの減少、輸送費などのコストなどにより価格が上がっている場合があります。
チラシ掲載で割引されていて数百円程度で購入できる場合もありますが、極端に価格が下げられている場合は、噛みつき癖があるなど理由があることが多いので、店員さんにたずねてみましょう。
新しい環境にハムスターは警戒し、戸惑います。
1週間もすれば少しずつ新しい環境に慣れてきますので、それまではエサや水の管理だけにして、触れ合うことは待ってあげてください。
ハムスターを飼うにあたり、とても重要になるのが飼育ケージの選択です。
金網・プラスチック・ガラス・アクリルなど、複数の素材がありますが、結論から申しますとガラスケージがオススメです。
金網部分が多いケージは通気性が良い反面、ハムスターがよじ登って落下することや、金網部分をガリガリと噛んで歯を折ったり、噛み合わせが悪くなる不正咬合(ふせいこうごう)を起こすことがあります。
また、床材やトイレの砂などがケージの外に散らばりやすいというデメリットもあります。
水槽で飼うこともできますが、風通しが悪く、排泄物等のニオイがこもりやすいことが難点です。
最近は、ガラス張りで前扉のケージ、プラケースと金網部分が融合されたケージなどが販売されています。
ガラス張りで前扉のケージは掃除がしやすく、ゴミなども散らかされずにすみ、わが家でも重宝しています。
野生のハムスターは、地中にトンネルを掘って巣穴を作り、基本的に単独行動をしています。
はしごのついた2階建てのケージなどは楽しそうに見えますが、ハムスターは本来潜る生活を送っているため、高いところには適していません。
落下の危険性もありますので、なるべく1階建ての平屋タイプのシンプルなケージを選びましょう。
またオスの場合特に縄張り意識が強いため、同じケージ内での飼育=多頭飼いはNG。(メスならOKというわけではありません)
ペットショップや、写真などで複数匹で寄り添っているものなどを見かけることもあると思いますが、これは縄張り意識の芽生えていない生後2ヶ月程度までの子供たちによる特例と言えます。
幅45cm×奥行き30cm×高さ25cm以上の飼い主が管理しやすいサイズのケージで、1匹ずつ飼育しましょう。
繁殖させたい場合、オスとメスを一緒に飼育する場合もあるかと思いますが、当記事では基本的に推奨しませんので、ペットショップで小動物に詳しい店員さんに相談していただければと思います。
ハムスターは明るいところが苦手なので、ケージは直射日光の当たらない場所に設置します。
また激しい温度変化も苦手なため、低い位置や窓の近くなどを避け、棚の上などでエアコンの風が直接当たらない場所に設置しましょう。
(適温については後述いたします)
ハムスターといえば、ひまわりの種でしょう!と思われている方は多いと思います。
確かにハムスターはひまわりの種が大好きです。しかし、ひまわりの種はカロリーが高く、与えすぎるとハムスターが肥満になってしまいます。
普段はペレットと呼ばれる固形フードをメインに与え、ひまわりの種はたまのおやつや、飼い主さんとの触れ合いの時だけに与えると良いでしょう。
また雑食のイメージが強いハムスターですが、どんなものでも食べてくれるかというと、意外とハムスターはグルメ。好き嫌いがあります。
ペットショップや里親さん等から、ハムスターを迎える場合は、普段どんなエサを食べているかを聞いておくと安心です。
エサは基本的に1日に1回、なるべく毎日同じ時間に少量を与えます。
餌を与える時間はハムスターの活動時間である夕方頃(目安として夏は19時前後、冬は17時前後)がオススメで、与える量は体重の5〜10%程度が目安となりますので、体重40gの場合で2〜4g程度、こんなに少なくていいのかな、と思えるくらいの量で大丈夫です。
成長期や妊娠中など、ハムスターの状態によっては、エサの量を増やすこともあります。
ケージに敷く床材は、ハムスターが隠れたり、冬は保温や保湿の役割をしたり、クッションの役割などを果たす重要なアイテム。
広葉樹(シラカバ・カバ・ポプラなど)や針葉樹(スギ・マツ・ヒノキ・モミなど)のウッドチップが一般的ですが、紙で作られたペーパーチップ、とうもろこしの芯などで作られたコーンチップなども存在します。
綿や布などは、ハムスターが誤飲してしまうことがあるので避けましょう。
広く普及しているためコスパ良く手に入れやすい、保温や保湿にも優れた床材です。
広葉樹のウッドチップと比べて針葉樹のウッドチップの方が安価ですが、アレルギーを起こしやすい傾向にあります(広葉樹もアレルギーを起こさないわけではありません)。
低アレルギーの表記がある商品を選ぶとやや安心感がありますが、それでもかゆがっていたり、鼻水が出ている場合は、ただちに他の床材に変更してください。
ペーパーチップには色付きのものもありますが、汚れやケガや病気で血が出ているときにわかりやすいため、白いペーパーチップがオススメ。
家にあるものですませたいという方には新聞紙がオススメです。
ただし、新聞紙は毛色が薄いハムスターにはインクがついてしまうという欠点があります。
とうもろこしの芯を粉砕したコーンチップは、木製・紙製の床材と比べてホコリが出にくいというメリットがあります。
他にも食べ物で作られているためハムスターが間違って食べてしまっても比較的安全というメリットがある一方で、価格が高かったり、食品から作られているためこまめに交換しないとカビや腐敗が起こるのがデメリットとして上げられます。
春から夏は、床材はできるだけこまめに替えます。
冬はふかふかになるくらい、たっぷりの床材を用意してあげてください。
ペットショップで新しい飼い主さんを待つハムスターたちは、たいがいは床材の中に埋もれるようにしています。
家に迎えたハムスターには落ち着ける隠れ家(巣箱)を置くようにします。
巣箱は陶器製、木材、自然の素材で作ったものなど、これもまた色々と販売されています。
お菓子の空き箱、ティッシュケースの空き箱などでも代用できます。
フンはどこでもかまわずのハムスターですが、おしっこはある程度、同じ場所でする傾向にあります。
できるだけ囲いの多いタイプのトイレ容器を用意し、砂を入れて設置します。
ただし、用意したトイレ以外の場所でおしっこをしてしまうこともあります。
そんな時は、おしっこが染みついた床材をトイレの中に入れてみてください。
「ここがおしっこをするところかな?」とハムスターが気づいてくれることもあります。
できるだけ陶器製で大きすぎず小さすぎないものを選ぶようにします。
理由としては、簡単にひっくり返らない適度な重さ、ハムスターが顔を入れて餌を食べられて、かつ床材などが入りにくい適度な高さ、ハムスター自身が中に入ったりトイレをしてしまわないような適度な大きさ、割れたりしにくく洗いやすいという条件を満たす餌入れがオススメであるためです。
100均などでも陶器製の小さな容器が売っていることがありますので、変わった形のものは避けてなるべく丸みのあるものを探してみてください。
ハムスターのケージセットの場合、回し車は最初からついている場合も多いですが、ついていない場合はストレス解消、運動不足にならないためにも、回し車はできるだけ入れてあげます。
ジャンガリアンハムスターには15cm前後の少し小さめの回し車を用意します。
静音タイプの回し車を選べば、回し車の音はある程度軽減されます。
回し車同様、ケージの中にあらかじめセットされていることもあります。
水漏れがないかよく確認し、毎日新鮮な水を与えるようにしましょう。
ハムスターの適温は20〜25℃くらい(湿度は40〜60%程度)で、夏と冬は注意が必要なので、ケージの近くに温度計を設置しましょう。
室内で常にエアコンを付けている場合はそこまで神経質になりすぎる必要はありませんが、10℃を下回るような場合は冬眠をしたり最悪の場合死んでしまう危険性がありますので、極端な温度にならないように心がけてください。
大前提として、本来ハムスターを触るのはNGです。
平均寿命を下回るケースが多いので、どれだけ慣れていても、なるべく触らないようにしましょう。
触る場合はいきなり触ると驚かせてしまうので、正面から優しく声をかけながら、ゆっくりと手ですくうように持ち、包み込むように触ってあげましょう。
この時、内臓が傷つく可能性があるため、どれだけかわいくてもお腹を触るのは厳禁です。
逃げようとしたり噛み付いたり、「キュキュッ」と驚いた時の声を出したり、逆に固まったりしている場合は、恐がったり嫌がっているサインです。
ストレスを感じていますのですぐに離してあげましょう。
また、エサを手に乗せて釣る方もいますが、警戒心が芽生えるためあまりオススメしません。
むしろエサのペレットを常に入れておき、ハムスターに「この動物(飼い主)は大きい生き物だけど安心」と思ってもらい信頼関係を築いたほうが、スキンシップは容易になります。
毛色の項目でも少し触れましたが、パールホワイト同士の交配はNGなど、ジャンガリアンハムスターは毛色によって掛け合わせてはいけないことがあります。
また先述の通り多頭飼いが基本的にNGの動物でもありますので、繁殖を考えている場合、ペットショップで小動物に詳しい店員さんに相談してください。
ジャンガリアンハムスターは平均で一度に4匹、最大で10匹ほどの赤ちゃんを産みます。
すべての子を育てられる環境があれば良いですが、そうではない場合、里親さんになってくれるお知り合いを予め見つけておきましょう。
※里親を募集するサイトなどもありますが、どういった方なのかわからない場合も多いので、安心できるお知り合い以外に託すのはできる限りおやめください。
生後3か月ほど経てば、生まれた子どもたちも繁殖可能になります。
生後1か月で独り立ちできますので、増やさない場合はオスとメスを分けておきましょう。
わが家の子ハムたちは遊び道具に、トイレットペーパーの芯を使ってくれています。
狭い場所や潜り込むことが大好きなため、トイレットペーパーや紙コップのような遊び道具は重宝します。
汚れたり、破れたりしたら、また次のトイレットペーパーの芯を入れておきます。
なかには全く興味を示さない子もいますが、ひょっとしたら真夜中に遊んでくれているかもしれません。
ケージの中が狭くなりすぎないように、こうしたおもちゃになるものを入れておくと良いですよ。
ジャンガリアンハムスターについて、いかがだったでしょうか。
個体差はあるものの、ジャンガリアンハムスターは初心者でも飼いやすいペットです。
きちんと最後までお世話ができる環境かをご考慮いただいた上で、もしおうちにお迎えした場合は大切に育ててあげてくださいね。
それではまた!