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2021年12月08日 18:46
こんにちはENGI MAG編集部です!
生き物や自然が好きな人は少なからず、野外の自然の中で過ごすのが好きなものなのですが、冬は割と退屈してしまう季節です。
寒いし、生き物いないし、植物枯れてるし…(笑)
そんな中、冬だからこそ楽しめるアクティビティがあります。
それが、バードウォッチングです!
なんとなく、鳥が大好きないわゆる「ガチ勢」じゃないと楽しめないような敷居の高さを感じる方もいるかと思いますが、ちょっとした道具とポイントを押さえることで、誰でも気軽に楽しむことができます。
といったわけで、自然解説員である筆者が、冬にバードウォッチングをオススメする理由や、観察する際のポイントなどを詳しく解説していきたいと思います!
目次
実は、冬はバードウォッチングにもっとも適した季節です。それはなぜか。
ハクセキレイ
理由の一つ目は、植物が枯れていることです。
他の季節では、木々の葉に隠れて鳥の姿をしっかり見ることができません。
ところが、木々の葉が枯れ落ちて枝だけになった冬は、鳥にとっての隠れ場所が少なく、観察しやすいのです。
理由の二つ目は、冬鳥には観察しやすい種が多いことです。
キンクロハジロ
日本では、ずっと日本に住んでいる鳥「留鳥(りゅうちょう)」のほかに、夏になると他国から渡ってくる「夏鳥」と、冬になると他国から渡ってくる「冬鳥」が見られます。
夏でもそれなりに鳥はたくさんいるのですが、夏鳥には小鳥が多く、身体が小さく素早いので観察しにくいのです。
これに比べると、冬鳥の場合ロシアから渡ってくるカモ類が多く、水面に浮かんでいてくれるのでかなり観察しやすくなります。
手ぶらで出かけても鳥を眺めることはできるのですが、せっかくなら何かしらの道具を持って行った方が楽しめます。
かといって、あまり高価なものをそろえるのも大変なので、ここでは最低限、「これさえあれば大丈夫!」というグッズを紹介しましょう。
まずは、双眼鏡です。
双眼鏡と一口に言っても、スポーツ観戦用、天体用など様々ですが、バードウォッチングにオススメなのは、倍率8倍程度のスポーツ観戦用モデルです。
もちろん、倍率が高い方がより詳しく鳥を観察できるのですが、その分視野が狭くなり、鳥を見つけにくくなります。
また、なるべく小型のものは避けましょう。
ポケットサイズなど、一見持ち運びに便利そうな気がしますが、目の幅が合わないと疲れてしまいます。
そういった意味で、おすすめの双眼鏡のリンクを一応貼っておきますが、できれば通販サイトではなくお店で手に取って選んだ方がいいでしょう。
野外で使うので防水の方が安心ですが、私は雨の日には出かけないと決めているので、特に防水でなくてもいいと思っています。
次に、野鳥図鑑です。
図鑑と言っても、多くの鳥が網羅された立派なものではなく、それこそポケットに入るサイズのハンディ図鑑が良いでしょう。
双眼鏡を片手にパラパラっとめくって、見つけた鳥の種類を調べるような使い方をすると思います。
このため、文章が多い図鑑よりも、絵や写真が大きく載っている図鑑を選ぶと便利です。
「山の鳥」「町の鳥」など、場所によって本を分けている図鑑もあるので、自分が行く場所に合わせて選びましょう。
電子書籍タイプでもいいのですが、個人的には紙の本の方が扱いやすい気がします。
荷物はリュックサック(バックパック)やショルダーバッグに入れましょう。
アウトドアなのでリュックサックが定番と思われがちですが、個人的には両手が空けばなんでもいいと思います。
私はいつもショルダーバッグを使っています。いずれにしても、持ち運びしやすいようカバンは一つにしておくことが大切です。
あとは、冬の自然観察に適した服装です。
行く地域にもよりますが、基本的にポイントとなるのは歩きやすさと防寒性です。
歩きやすい運動靴と、暖かい服装を心がけましょう。
バードウォッチングはあまり動き回らないことが多いので、防寒対策はしっかりしておいたほうが安心です。
マウンテンパーカーのようにポケットの大きな服装だと、双眼鏡や図鑑を入れられて便利です。
また、初心者の方はそこまでの場所に行かれることはないかと思いますが、中級者以上の方で干潟やぬかるみに行かれる場合は、動きやすい長靴が必須となります。
こちらはブラウン、グリーン、グレーのカラーバリエーションがある、バードウォッチング用の長靴です。
バードウォッチングと言っても、場所によってみられる鳥も様々です。
初めてバードウォッチングに挑戦する、という方には、なるべく広い水辺がオススメです。
コブハクチョウ
大きな公園の池でも、海辺でも構いません。
自分の住んでいる地域名+バードウォッチング、などで検索すると、近所でバードウォッチングに適した場所が見つかると思います。
魚が住まないような水辺でも鳥は来ますので、あまり気にせず場所選びをしましょう。
日帰り旅行気分でちょっと遠くのスポットへ足を延ばしてもいいと思いますが、あまり自然むき出しの場所は、鳥たちがオープンな場所に出てきてくれないのでオススメしません。
詳しい鳥の種類などは地域によって違うので図鑑に任せますが、野鳥を観察する際のポイントだけ紹介しましょう。
まずは、肉眼で探しましょう。
いきなり双眼鏡を覗くと、自分がどこを向いているのかわからなくなります。
双眼鏡で探すのではなく、肉眼で見つけた鳥を双眼鏡で観察するイメージを持ちましょう。
次に、鳥の大きさです。
多くの図鑑には「〇〇センチ」と大きさが書かれていますが、野外で見つけた鳥の大きさをそこまで正確に判定するのは意外と難しいものです。
カワラバト(ドバト)は約30cm
そこで、身近な鳥であるスズメ、カワラバト(ドバト)、カラスの大きさを基準にしましょう。
スズメが約15cm、カワラバトが約30cm、ハシブトガラスが約60cmです。
スズメよりちょっと大きいけれどドバトより小さい、といった感じで大きさの特徴がつかめれば、ずいぶん調べやすくなるはずです。
この3種類はよく基準として引き合いに出されるので、「物差し鳥」と呼ばれます。
あとは、見た目の色や姿の特徴、見た場所や環境で、図鑑を調べてみるといいでしょう。
双眼鏡と図鑑さえあれば、だれでも気軽に始められるのがバードウォッチングの良さです。
都市公園などアクセスしやすい場所でも、意外とたくさんの鳥を見ることができます。
天気のいい休日など、鳥を眺めに出かけてみてくださいね。
それではまた!
執筆・一部画像:自然解説員G