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2021年11月04日 11:09
こんにちはENGI MAG編集部です。
興味のない人にはまったく理解しがたい話だと思いますが、ペットショップで販売されているトカゲは何種類もいます。
初心者の方にも安心しておススメできる種類もいれば、腕に覚えのあるマニアが死力を尽くさねば飼えないハイレベルな種類もいます。
今回は、初めてトカゲを飼う方におススメの『アオジタトカゲ』を、おススメする理由や実際の飼い方などと併せてご紹介!
値段は1〜10万円程度とちょっと高いけど、マジでいいトカゲです!
アオジタトカゲ(Blue-tongued lizard/Blue-tongued skink)は、胴長短足を具現化したような寸胴体形が特徴のトカゲで、成長すると全長は50〜60センチ近く(最大では70センチ程度)、体重は600gとやや大きくなります。
ちなみに、かつてブームとなった未確認動物『ツチノコ』は誰かが逃がしたアオジタトカゲではないか、といううわさもあります。似ていますが、筆者は違うんじゃないかなぁと思っています(笑)
インドネシアとオーストラリアに生息し、日本に生息するニホントカゲやヒガシニホントカゲと同じスキンク(skink)というグループに属します。
スキンクは光沢した鱗を持ち、四肢(つまり手足)があるトカゲのことです。
アオジタトカゲにもいくつか種類があり、メラウケ、キタ、ヒガシ、ニシ、チュウオウ、マダラ、キメラなどが知られていますが、インドネシアに生息するメラウケアオジタトカゲ(Merauke blue-tongued skink)が一番お手頃価格で、5,000〜30,000円程度で手に入ります。
名前の通り舌が青く、敵に遭遇するとこの青い舌で威嚇するそうですが、飼育しているアオジタトカゲが威嚇姿勢を見せることはほとんどありません。
先に述べた通り初心者向けのトカゲなのですが、いくつかいる初心者向けトカゲの中でも、
・大きすぎず小さすぎない絶妙な大きさのトカゲが欲しい(レオパではちょっと小さい)
・どうしても生きた虫は餌にしたくない
・あんまり設備にお金かけたくない
・家を空ける期間が長いor家にいる時間が短い
という方におススメできる種類です。
例に漏れずベビーは弱いので別として、とにかく頑丈で死なないトカゲ、しかもそこそこ大きくなります。
アダルトサイズの個体を見ていただくのが一番早いのですが、かなりの存在感です。それでも、オオトカゲやグリーンイグアナに比べれば、決して持て余すようなサイズではありません。
寿命も10〜15年程度と長く、丁寧に飼育すれば20年程度生きることもあります。
アオジタトカゲはトカゲ界屈指の雑食性として知られており、雑食トカゲ用のフードだけでも飼育できます。
もちろん、生きたコオロギも喜んで食べますし、冷凍マウスも食べれば昆虫ゼリーだって食べます。
生餌を使いたくない方でも生餌なしで終生飼育が可能です。
一応、昼行性のトカゲなので紫外線が必要ですが、そこまで気にする必要はありません。
「爬虫類用」「紫外線を出しますよ」と書かれたライトをつけていれば大丈夫。
あとは、お腹が冷えないようパネルヒーターを使うのと、ちょっと余裕のあるケージがあれば飼育できます。
特にヤングアダルト以降の個体は非常にタフで、水切れにも絶食も強くなります。
仕事が忙しい方でも、朝出かける前にエサ皿に餌を入れて飲み水を置き、夜帰ってきて食べ残しを捨て、ときどき休みの日に掃除する、そんな飼い方もできるトカゲです。
まずはケージです。アオジタトカゲの体形を見ればわかりますが、木登りなど立体的な活動は一切しません。
しっかり運動させるために、なるべく底面積に余裕のあるケージを使いましょう。
とはいえ、一辺が90センチのケージ、または幅60センチで奥行き45センチのケージがあれば十分です。
写真では幅90センチ、奥行き45センチのアクリル水槽を使用しています。
特に高温になるヒーターを使うわけではないので、衣装ケースなども使えます。
メダカなどを飼うためのトロ舟でも飼育できますが、アオジタトカゲの頭の先から後ろ足の付け根までの長さ(頭胴長)程度の高さだと、なんとか足を引っかけて登ってしまうことがあるので、高さに不安がある場合はフタをしましょう。
衣装ケースやトロ舟に合うサイズのフタはないので、バーベキューネットやワイヤーメッシュで自作(DIY)するといいでしょう。
次に、アオジタトカゲの飼育で重要なのはパネルヒーターです。
どの種類のアオジタトカゲもお腹を冷やすと耐えられないので、必ず用意します。
ケージ底面の1/3をカバーするサイズのものを用意しましょう。
床材は悩ましいところですが、とりあえず砂漠の砂など細かなパウダー状のものは、気管を痛めたり鱗の間に入って壊死を起こしたりするのでやめておきましょう。
ヤシガラチップや細かいタイプのバークチップがいいと思います。
メラウケなど多湿タイプのアオジタでは床材を湿らせて使い、乾燥系のアオジタではなるべく乾燥させて使います。
どのタイプのアオジタでも、全身が入るサイズの水入れは用意しましょう。
先程の写真では多湿タイプのアオジタを飼うことを想定し、湿らせたヤシガラチップを敷いています。
水入れは100均の高さのないタッパーなどでも代用可能です。
あとは、日光浴をするためのUVB(紫外線B波)を出すタイプの紫外線ライトをつければ完成です!
人間にとっては日焼けやシミになる紫外線ですが、アオジタトカゲにとっては必須となります。
餌は基本的に毎日与えますが、ときどき数日間の絶食期間があってもまったく問題ありません。
ふやかした雑食トカゲ用フードを主食として、なるべくいろいろなものをおやつに与えましょう。
およそ生き物に食べさせないほうがよさそうなものでなければ、なんでも試してみるといいでしょう。
私の経験では、シメジやシイタケなどキノコ、ヨーグルトのフタ(フタについたやつを器用に舐めていました)、傷んだ生肉、果ては子ども用の卵ボーロまで食べていました。
偏食しやすい一面があるので、なるべく餌に偏りがないようにします。
ベビーは昆虫食の傾向が強くみられますが、成長につれてどんどん雑食傾向が強くなります。また、成長しても葉野菜はあまり好みません。
雑食トカゲの常で、フンはわりと臭いので、見つけたら周囲の床材ごとすくって捨てるといいでしょう。
また、実は脱皮が汚いことでも知られたトカゲで、ボロボロと部分的に剥がれるような脱皮をします。
脱皮が始まったら、おおまかな皮がむけるまで、湿らせたキッチンペーパーを敷いた別のケージで飼育するのも一手です。
レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)に比べるとサイズが大きく、爬虫類初心者の方にはちょっと気が引けるかもしれませんが、その存在感こそがこのトカゲの魅力といえます。
手からバナナを食べたりする程度には慣れますので、ペット的に飼いたい人にもおススメです。
それではまた!