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イエアメガエルは初めて樹上性カエルを飼う人にオススメ!飼育方法や値段、寿命、人工餌などについて詳しく解説します◎

2022年01月13日 23:41

イエアメガエル

 

こんにちはENGI MAG編集部です!

 

両生類がお好きな方に「ペットとして飼われるカエルの仲間で有名なカエルは?」と尋ねると、ぼってりした体型にツノが生えたような見た目が特徴の、「ベルツノガエル」と答える方が多いように思います。

ですが、ベルツノガエルは特殊な見た目をしているので、カエルや両生類に詳しくない方が一般的にイメージするカエルとしてはちょっと異なりますよね。

 



同じ質問を両生類にそこまで詳しくない方にすれば、「アマガエル」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、ある意味でカエルらしいカエル、イエアメガエルです。

 

イエアメガエルとはどんなカエル?

生体

イエアメガエル

 

イエアメガエル(家雨蛙、ホワイトアマガエル、Litoria caerulea、White’s tree frog)はアマガエルの仲間の樹上性のカエル(ツリーフロッグ)で、主にインドネシア、オーストラリア、パプアニューギニアに棲息しています。

 

実は、樹上性のカエルには気難しい種類が多く、あまり初心者向けとは言い難いのですが、イエアメガエルだけは別格と言っていいほど飼いやすいカエルです。

「イエアメガエルを上手に飼えても他の樹上性カエル類がうまく飼えるとは限らない」と言われるほどですが、逆に言えば初めて樹上性カエルを飼いたい人にはピッタリのカエルといえるでしょう。

 

日本には海外でブリーディングされた個体が輸入されていて、飼育しやすく見た目がかわいい、ペット向きのカエルとして近年人気が出てきています。

 

大きさ・寿命

アマガエルというと、小さなニホンアマガエルを想像する方も多いと思いますが、イエアメガエルは体長7cm〜最大では12cmにも達する大型のカエル

加えて、成熟すると鼓膜の上の皮膚が垂れ下がり、ちょっと妖怪っぽい見た目になります。

 

寿命は平均10〜15年程度で、最大で20年以上生きることもあり、カエルとしては長寿の部類です。

(飼育下では23年生きた記録もあるそう)



モルフ(品種)

イエアメガエルのブルー

イエアメガエルのブルー

 

通常の緑色をしたノーマルの他、最近では雪が降ったような白い斑点が特徴のスノーフレークや、身体がエメラルドグリーンのような色をしたブルー、目が青みがかったブルーアイなどのモルフも登場しています。

 

鳴き声

オスのイエアメガエルは、求愛行動として春先から夏あたりにかけ、いわゆるカエルの鳴き声でイメージするような「ゲコゲコ」や「ゲッゲッ」という鳴き声で鳴きます。

そこそこな大音量なので、神経質な人や集合住宅など環境によっては注意が必要です。

 

値段

時々オタマジャクシも売られているので、そこから育てて大きくすることもできます。

イエアメガエルの値段は、ノーマルのオタマジャクシで概ね1,000円前後、ノーマルのベビーで2,000〜3,000円程度、希少性の高いブルーアイで6,000〜2万円程度、ブルーで8,000〜2万円程度であることが多く、スノーフレークなど超希少な個体になると3万円を超えることも少なくありません

 

「中には高額な個体もいる」とはいえ基本的に長寿のカエルなので、ペットショップや爬虫類・両生類専門店など(ネットの通販などでも販売されていますが)で、自分がかわいいと思った子をお迎えするのがオススメです。



イエアメガエルの飼い方

ケージ

イエアメガエルのケージ

 

まずは、ケージの用意です。

 

イエアメガエルは樹上性で、指先が吸盤のようになっていてガラス面にも貼り付けます。

フタをしていないケージではすぐに出てきてしまうので、プラケースを使うか、爬虫類用のガラスケージを使いましょう。



売られているのはたいてい数cmしかない幼体なので、大きくなるまではサイズに合わせたプラケースで飼い、ある程度大きくなったらガラスケージに変える、という形でもいいと思います。

全長5cmを超えたらガラスケージを使ったほうが良いでしょう。30cm四方程度のケージで終生飼育できます。

 

また、樹上性のカエルなので、ケージ内にはコルクや板切れ、流木などを立てかけ、簡単にレイアウトするのがオススメです。

そういうものがないとケージの端っこにくっついたまま動かなくなってしまい、飼っていてつまらなくなります。

 

好みに応じて、観葉植物を鉢ごと入れたり、造花を入れてもいいでしょう。ただし、生きた観葉植物はカエルに踏まれて枯れてしまうことがあります。

 

温度・湿度

人が住んでいる室内であればあまり温度にこだわる必要はありませんが、適温は25℃前後であるため、冬などの寒い時期はケージの側面にパネルヒーターを貼り付けましょう。

 

そしてここが飼育のポイントですが、基本的にケージ内は乾燥させます。

意外に思われるかもしれませんが、イエアメガエルはジメジメした環境よりも、やや乾燥した環境を好むカエルです。

 

ライトを当てたりして無理やり乾燥させる必要はありませんが、霧吹きをしたりミズゴケを敷いたりする必要はありません。

全身が浸せるくらいの水入れがあれば、あとは乾いたままで大丈夫なので、次に説明する水入れをタッパーなどで作ってあげましょう。



水・水入れ

水入れは自分ではい出せる程度の高さであれば、浅めのタッパーでもなんでも大丈夫ですが、溺れないよう水を入れすぎないようにします。

また、イエアメガエル自身の糞尿により中毒になってしまう場合があるので、水入れの水はできるだけ毎日変えてあげます。

飼育にあたって他にすることはあまりないので、水はなるべく新鮮なものを用意してあげましょう。

 

床材

乾燥させるので、床材は紙類でも土類でも、好きなものを敷いて構いません。

私の場合、他の生き物に使って余った土などを入れていますが、特に湿らせてはいません。

 

床材についてはこちらの記事でまとめています。

 

その他

あとは餌やりと、糞の掃除くらいです。

キッチンペーパーなど紙類を敷いている場合は、糞をしたら紙ごと取り換えます。土を敷いている場合は、土ごと糞を掬い取ります。 

 

生き餌がいらない!

イエアメガエル

 

ベルツノガエルと同じく、イエアメガエルもほとんど人工餌・人工飼料だけで飼育できるカエルです。

小さな個体だと生きたコオロギにしか反応しないことがありますが、ある程度時間をかければほとんどの場合人工餌で餌付けることができます。



生きたコオロギしか食べない場合、まずはピンセットでの餌やりに慣らしましょう。

生きたコオロギをピンセットでつまみ、目の前にそっと差し出してみてください。

 

これを食べるようになったら、次に冷凍コオロギや、ふやかした乾燥コオロギを与えます。

これらの死んだコオロギでも食べるようになれば、ピンセットで差し出されたもの=餌と覚えてくれるので、なんでも食べてくれるはずです。

 

イエアメガエル専用フードといったものはありませんが、同じカエルなのでツノガエル用のフードはそのまま使うことができます。


私の場合は、グラブパイという人工飼料を使っています。本来はヒョウモントカゲモドキなどトカゲ用のエサですが、特に問題はなさそうです。

 

カエルが小さいうちは一日おきくらいに食べるだけ食べさせて成長を促し、全長5センチを超えたら少しずつ減らしていきましょう。

 

まとめ 

ツノガエル用のフードが発売されるまでは、やたらとエサ代のかかるカエルでしたが、今では誰でも気軽に飼うことのできるカエルとなっています。

緑色の樹上性カエルを飼ってみたい方には特にオススメのかわいいカエルです。

 

それではまた!

 

執筆・一部写真撮影:GJ

編集:端希(はしき/TwitterInstagram



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