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2022年01月11日 04:12
こんにちは、ENGI MAG編集部です!
観賞魚や爬虫類、両生類などを飼う楽しみは、生き物そのものを飼うことだけではありません。
昨今では新型コロナウイルスの影響でおうち時間が長くなり、インテリアなどにこだわる方が増えた結果、生き物を飼育するケージ内のレイアウトを楽しむ『ビバリウム』にも注目が集まるようになりました。
このビバリウム以外にも「アクアリウム」など、「◯◯リウム」という言葉がいくつか存在するのですが、そこからさらに派生語まで登場しだして、もはや何が何やら…という方も多いのではないかと思います。
というわけで今回は、ビバリウムをはじめとした「◯◯リウム」についてそれぞれの意味や違いを解説いたします!
さらに後半では100円ショップを活用した手軽にビバリウムを楽しむ方法や、爬虫類や両生類などを飼っている方向けに100円ショップを活用したサンプルレイアウトのご紹介をいたしますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
それでは、動植物に詳しくない方にはあまり聞きなじみのない言葉であろう『ビバリウム』をはじめとした『◯◯リウム』について詳しく解説していきます。
「◯◯リウム」は「〜な空間、〜に関する場所」というような意味なのですが、『ビバリウム』の他にも動植物関連の「◯◯リウム」という言葉はいくつかあって、メインどころで言うと以下の5つとなります。
ちなみに日本語の便宜上「◯◯リウム」と書いていますが、厳密に言うと「◯◯rium」ではなく「◯◯arium」なので、「◯◯アリウム」の方が正しいと言えるかもしれません。
また今回は動植物に絞ってお話ししますが、天文館などを指す「プラネタリウム(Planetarium)」もPlanet+ariumで「惑星に関する場所」というような意味だったりします。
それではそれぞれ解説していきましょう!
上記の中で一番歴史が古く、なじみがあるのはアクアリウムかもしれませんね。
あくまで一説ですが、紀元前2500年に古代のシュメール人が食用として淡水魚を飼っていたのがアクアリウムの起源で、現在の鑑賞を目的としたアクアリウムの原型となっているのは、2000年以上前の中国でフナの繁殖・交配が行われる中、突然変異により生まれた赤いフナ、いわゆる金魚を飼育しだしたことが始まりと言われています。(当時金魚は超貴重だったそう)
話を現代に戻しまして、aqua(水)+arium(空間)を併せた言葉であるアクアリウム(aquarium)は、水生生物の飼育施設や設備のことを指します。
水族館のような大型のものもアクアリウムと呼びますし、ご自宅に設置してある小型の水槽などもアクアリウムと呼びます。
「アクアリウム」という言葉自体は飼育設備などのことなので、ただの水槽であっても実はアクアリウムではあるのですが、日本では熱帯魚などの観賞魚がいて、水草があって、というような水中を再現した環境や世界観のことを指すことが多いです。
terra(大地)+arium(空間)を併せた言葉であるテラリウム(terrarium)は、陸上の動植物を飼育・栽培する環境や技術のことを指します。
テラリウムの歴史は比較的浅く、19世紀にイギリスのロンドンで発明されました。
今では「陸上を再現した環境」ということで爬虫類などの動物を一緒に飼育することも多いですが、元々は薬用や観賞用などのために、長期間植物を運搬する目的で生み出されたものです。
というわけで元々は植物ありきでしたが、現在では上記写真のように、陸地が再現されていればテラリウムと呼ばれたりもします。
また派生として、テラリウムの中でも苔が栽培されている環境を『苔テラリウム』などと呼ぶこともあります。
aqua(水)+terra(大地)+arium(空間)を併せた言葉であるアクアテラリウム(aqua terrarium)は、前項の2つ、水中と陸地の両方を再現した環境を指します。
上記の写真には苔も生えているので、先程ご紹介した「苔テラリウム」でもありますね。
どのくらいの水量があればアクアテラリウムであるといった定義がないので、アクアリウムにちょっとでも陸地があればアクアテラリウムなのか、また次に紹介する「パルダリウム」との線引はどこから?などやや曖昧な部分もありますが、一般的には魚などが泳げる水量があるものをアクアテラリウムと呼びます。
palus(湿地・沼地)+arium(空間)を併せた言葉であるパルダリウム(paludarium)は、湿原や沼地を再現した環境のことを指します。
パルダリウムには湿度が重要なので、結果としてこちらも苔が生えた苔テラリウムになっていることが多いかもしれませんね。
また、語源がpalus+ariumなのに、なぜpaldariumと「d」になるのかについては、調べてもわかりませんでした。
viva(生命)+arium(空間)を併せた言葉であるビバリウム(vivarium)は、生き物が生きる環境を再現した空間の総称です。
先述の通り、水量が定義されていなかったりと、「アクアリウム」「テラリウム」「アクアテラリウム」「パルダリウム」の線引きはわりと曖昧だったりしますが、平たく言えばこれらはすべて「ビバリウム」なのです。
爬虫類・両生類飼育の世界では、主に陸地を再現したテラリウムを指す言葉としてビバリウムが使われることが多くなっており、大抵は床材と水入れしかないシンプルなケージではなく、流木が入っていたり植物が生えていたりと、ある程度レイアウトが施されたケージを指します。
ここまでご紹介したような、ふんだんに植物を植え込んだビバリウムは確かに見ごたえがあり、四季折々植物の成長などの変化があって楽しいのですが、お金もかかるし、管理も大変そう…というイメージがあるかと思います。
実際その通りで、ご紹介したようなものを作る場合は相当な手間と金額がかかるのがネックなんですよね。
そこで、私が提案するのは100円ショップの活用です。
最近の100円ショップは本当に便利で、なんでも揃ってしまいます。
ビバリウム作成において、100円ショップでの注目ポイントはなんと言っても「観葉植物」と「園芸コーナー」です。
都心部だと扱っていないこともありますが、多くの100円ショップでは観葉植物を扱っていますよね。これ、使わない手はありません。
というのも、ビバリウムを作る際は当然、ガラスケージなどの容器にレイアウトを作っていくのですが、フラワーショップやホームセンターの観葉植物では大きすぎて使えない場合がほとんどで、ケージに入れてちょうどいい大きさの観葉植物は意外にもなかなか手に入らないのです。
かといって、専門店でビバリウム用の植物を探してみると、大きさもちょうどいいし見た目にも美しい熱帯植物が揃っているものの、値が張ってしまいます。
特に初めてビバリウムを作る場合、すぐ枯れてしまうかもしれないものにそこまでお金はかけたくありませんよね。
そこで、100円ショップの観葉植物です。
100円サイズゆえに、部屋に飾るにはちょっと小さいんじゃないかな?というサイズですが、ケージに入れるにはぴったり。
また、多くの店舗は植物用の設備を整えているわけではなく、普通の売り場に置かれています。
つまり、室内光で十分に育つものが並べられているわけです。
選び方もさほど難しくなく、生き物を一緒に飼育する場合はサボテンなどトゲがある植物は生物に危険を及ぼす可能性があるので避けて、あとは基本的に自分が置きたいものを選ぶだけ。
まれにクワズイモやモンステラのような、触れるとかぶれたりする毒を持つ植物もありますので、気になる方は植物の名前を控えた上で、調べてから購入すると良いかと思います。
その上で何を買うか迷った場合は、ポットの下から根が伸び、新芽を出している植物を選びましょう。
観葉植物コーナーだけでなく、園芸コーナーも掘り出し物の宝庫です。
特に注目したいのは床材。なんと、ヤシガラ土が100円で手に入ります。
ミズゴケやバークチップなど、床材としては豊富なラインナップが手に入るので、こちらも要チェックです。
しかも100円サイズなので、鉢植えやプランターには少なくても、レイアウトを作るのにちょうどいい量で売られており、持て余すこともありません。
床材と植物があれば、あとは家のどこかに転がっているであろう流木などを組み合わせてレイアウトするだけです。
床材について詳しくはこちらの記事でまとめています。
というわけで、最後に我が家の100円ショップ活用レイアウトをご紹介いたします!(ここまでご紹介したものと比べるとだいぶあっさりしてはいますが)
今回は我が家の中でも特に100円グッズ率が高いレイアウトを紹介しますね。
まずはこちら。
アメリカの片田舎をイメージして作った、コーンスネークのレイアウト。
床材として用いているヤシガラ土、水入れ替わりの空き缶、そして配置した多肉植物、これらすべて100円です。
水入れとして紹介した空き缶は直接水を入れると錆びてしまうので、中に100円のミニタッパーが入っています。
けっこう、それっぽくできるもんでしょ?
続いてはこちら。
クレステッドゲッコーを飼育しているレイアウトです。
立てかけてあるコルクこそ100円ではありませんが、床材のヤシガラ土と観葉植物は100円です。
注目してもらいたいのは、左下の小さな切り株みたいなもの。
これ、100円で売られているカブトムシ用のエサ皿です。
我が家にはコクワガタがいるので、クワガタが食べた後のゼリー容器を洗い、このエサ皿にセットして、エサやりに使っています。
クレスの飼育ではゲル状のエサを使うことが多く、意外とエサ容器に苦労するのですが、これならレイアウトの雰囲気も壊さずばっちりです。
最後はこちら。
オビミズベヘビの飼育ケージです。
ちょっとビバリウムと呼ぶにはシンプルですが、床材も水入れのタッパーも100円、つまりケージ以外はすべて100円グッズで構成されたケージです。
水入れやシェルターでタッパーを活用する場面は多いのですが、100円ショップのタッパーはサイズが豊富で本当に助かります。(まぁもろに人工物なのでビバリウムではないですが…)
ビバリウムの世界、いかがだったでしょうか?
ビバリウムは本格的にこだわりだすと際限なく楽しめる奥深い世界なのですが、その分お金も相応にかかります。
ビバリウムには興味があるけど、難しそうだし高そうだし手が出ない…という方、ぜひ100円ショップに行ってみてください。ビバリウム目線で店内を歩くと、使えそうなものが色々と見つかるはずです。
そして、100円グッズでビバリウムを作る最大のメリットは、失敗しても安く済むこと。
気に入らなかったら作り直せばいいや、くらいの気軽な気持ちでチャレンジしてみてくださいね。
それではまた!
執筆・一部写真撮影:GJ