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2021年12月08日 18:45
こんにちはENGI MAG編集部です!
さぁ始まりました、なんでも飼ってみようのお時間です。
今回ご紹介するのはヒキガエル。
生理的にムリ、という方も少なくないのですが、最近じわじわと人気が出ているカエルでもあります。
飼育は簡単な上に、コレクション的な楽しみ方もペット的な楽しみ方もできるので、とってもオススメのカエルです。
ガマガエル、イボガエルなどとも呼ばれる地表性のカエルの一群です。庭や公園、学校の校庭なんかにいる大きいカエルですね。
ヒキガエルはかなり種類が多いので一部だけご紹介しますが、本州に棲息しているものは近年2種に分類され、ざっくり関東地方にいるものがアズマヒキガエル、そうじゃないものがニホンヒキガエル(サツマヒキガエル)と呼ばれています。
この2種以外には、渓流域に生息するナガレヒキガエル、宮古島近辺に棲息するミヤコヒキガエル、残念ながら絶滅寸前となってしまっていますが函館山に生息するエゾヒキガエルなどが知られています。
海外のヒキガエルも輸入されていたのですが、多くが特定外来生物として法律で規制されてしまい、外国産ヒキガエルで合法的に飼えるのはテキサスミドリヒキガエルやステルツナーガエルなど一部の種だけです。
ここではアズマヒキガエルに絞って話を進めます。
アズマヒキガエルは在来種のカエルとしては最大級で、大人の手の平から余るほどの大きさに育ちます。
が、動きはスローモーで、カエルのくせにジャンプはほとんどできません。泳ぎも不得意で、水に入れると溺れているように見えます。
鳴き声は意外にも結構高めで、「キュッキュッ」もしくは「クックッ」というような感じであることが多く、例えるなら小さい子の音が鳴る靴のようなかわいい音です。
鳴くのは雄(オス)のみで、繁殖期に雌(メス)を呼ぶ目的と、人や動物に掴まれたときや、雌と間違われて雄に掴まれた場合などにリリースコールとして鳴くことが多いです。
春先には池などにチューブ状の卵を産み、真っ黒なオタマジャクシが生まれます。子供の頃など、水場でヒキガエルの卵を見たことはありませんか?
オタマジャクシはその年の初夏には上陸し、7ミリほどのごく小さなカエルになります。
その小さなカエルが15センチ近い大きさに育つのは信じられませんね。
アズマヒキガエルの自然下の場合の寿命は概ね3〜4年、最高で8年程度ですが、整った飼育環境下では雄(オス)が10年、雌(メス)が8年ほどと長くなり、雄の方がやや長寿である傾向があります。
※注意※
ヒキガエルは目の後ろの耳腺や皮膚から『ブフォトキシン』という白い毒液を出すことがあります。
基本的にはヒキガエルが命の危険を感じた時に出すものなので、優しい持ち方であれば問題ないことも多いのですが、手に触れれば手がかぶれたり、万が一口に入ってしまった場合は重大な事故に繋がる場合がありますので、できるだけ素手で触らないようにしましょう。
もし素手で触った場合は絶対に目・鼻・口などを触らず、必ずすぐにしっかりと手を洗ってください。
さっそくヒキガエルを飼おうと思ったら、カエルを入手しなければいけません。
ヒキガエルを手に入れる方法は大きく分けて2つ。捕まえてくるか、買ってくるか、です。
捕まえてくる場合、ヒキガエルは夜行性なので夜間に探しに行くことになります。
この記事を書いている11月下旬はもう冬眠し始めていて探しにくいのですが、暖かい時期なら見つけやすいと思います。
ヒキガエルはどこにいるかというと、ある程度の規模の林や植え込みのある公園、田んぼ脇のあぜ道などにいることが多いです。
ただし、生き物を採集していい場所かどうか、事前に確認が必要です。
特に隠れているわけでもなく普通に歩いているので、そのままタモなどで拾えば大丈夫です(先述の通り毒液を出すことがありますので、できるだけ素手で捕まえないようにしましょう)。
プラケースなどに入れて持ち帰りましょう。
ちょっと前は、いくら爬虫類専門店でも国産のヒキガエルを扱うお店などなかったのですが、最近ではちょこちょこ見かけるようになりました。
お店で買うメリットとしては、いくつかいる個体の中から気に入った個体を選べる、ということです。
よく見ると微妙に模様が違う個体などがいるので、気に入った個体を探してみましょう。
ヒキガエルは夜、暗くなってから活発に動き回ります。
意外とレイアウトも破壊するので、シンプルなセッティングで飼うか、カエルが壊せないくらい丈夫なレイアウトにするといいでしょう。
ケージはプラケースでいいのですが、カエルが大きいのでできれば特大サイズのプラケースを使用します。
レイアウトを楽しみたい場合は爬虫類用のガラスケージの方がいいでしょう。ツノガエルと違い、けっこうアクロバティックな動きをするので、フタは必ず閉めましょう。
ヒキガエルの飼育では床材にこだわりましょう。
私のおススメはソイルですが、ヤシガラ土でも黒土でも構いません。
要するに、湿度を保ててヒキガエルが潜り込める床材が必要ということです。
カエルの身体の厚みの半分くらいの厚さを目安に敷きます。
ミズゴケや腐葉土は乾燥するのが早く、カエルから水分を奪うのでやめておきましょう。
床材が決まり、前項のレイアウトをしたら、床材を湿らせます。
この湿らせ方がミソで、びしょびしょにする必要はなく、むしろカエルにしては乾いているくらいがベストです。
ソイルの場合、ケージのコーナー(角)部分から水を流し込み、下の方のソイルが濡れて黒っぽく、表層のソイルは乾燥して白っぽくなっているくらいがいいでしょう。
床材についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
カエルは全身で水分を補給するので、全身が入るサイズの水入れが必須です。
ヒキガエルのサイズに合わせた水入れが必要ですが、簡単に済ませるなら100円ショップで売られているタッパーか、園芸用の鉢受け皿などが便利です。
こだわりたいのなら爬虫類専用の水入れを使いましょう。
昼間は隠れていることを好むので、落ち着ける隠れ家を入れてやります。
定番のコルクや流木、石のほか、半分に切った植木鉢も使えます。
室温であれば、特にヒーターなどはいりません。
むしろ、夏場の高温に注意が必要で、できればエアコンを常時つけておいてやりましょう。
餌は数日に一度、コオロギを与えます。
ケージに放り込んでおけば勝手に食べるので、口の大きさに合ったサイズのコオロギを10匹程度、入れておきましょう。
コオロギ以外にもダンゴムシやミミズも食べますが、あまり動きの速い生き物は追いつけないようです。
水入れの水はなるべく毎日取り換えます。あとは、ときどき床材の上に大きなフンをしているので、それを取り除くくらいしかやることはありません。
慣れてくると、餌をやるためにフタをガタッと開けただけで反応し、こちらを見上げてくるようになります。
飼い方、という点においては、何ら難しくないカエルです。
むしろ、やることがなくて飽きてしまうくらいなのですが、用がなくてもときどき様子をみてみましょう。
意外と表情が豊かで、見ていて楽しいカエルです。
それではまた!