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2021年11月18日 11:50
こんにちはENGI MAG編集部です。
爬虫類を飼いたいと思う方の中には、一定の割合でカメレオンに憧れを抱いている方がいるようです。
個人的には、どんなに飼育難易度が高い種であっても、飼いたいと思ったのなら飼ってみればいいという考え方をしているのですが、それを差し引いてもカメレオンはクセのあるトカゲです。
というわけで、今回はそんなカメレオンの飼育についてご紹介いたします!
目次
そもそも、カメレオンがトカゲだと言われてピンときますか?
かなり特殊な部類ではあるものの、カメレオンはれっきとしたトカゲの一種です。
カメレオン科という独立したグループを形成している点からも、カメレオンが特殊であることがわかりますね。
ほとんどがアフリカ大陸と周辺の島に棲息していますが、一部はインドやパキスタンなどアジアでも見られます。
目立った特徴の多いトカゲですが、その一つが足の作りです。鍋つかみのように、ものを挟み込む形に特化しています。
これはそのまま、枝をつかむために進化した形で、このためカメレオンのほとんどは樹上性です。
とぼけたような可愛い表情も特徴であり、魅力となっていますが、実は左右の眼球が別々に動きます。
真後ろの限られた角度しか、死角がありません。
また、カメレオンと言えば体色が変わることでも有名ですが、これは保護色というよりも、気分や状態で変わることが多いようです。このため、背景に関係なくド派手な体色になることがあります。
他には長い舌で狙撃するように獲物の虫を捕えることでも知られていますね。
これだけ変わった特徴を備えていれば飼いたくなるのもわかります。というか、私もそれで飼い始めた一人です(笑)
頭部のクレストが烏帽子(えぼし)のように高く伸びたカメレオンで、クレストは成体のオスの方が大きく発達します。
エボシカメレオンの寿命は5〜8年程度、値段は2万〜4万円程度であることが多いです。
頭部のトサカはあまり発達せず、『爬虫類の宝石』と呼ばれるほど、カメレオンの中でも身体の色が鮮やかなカメレオンです。
パンサーカメレオンの寿命は5〜7年程度、値段は3万〜6万円程度であることが多いです。
3本角の恐竜のようなカメレオンですが、メスは種類によっては角がほとんど発達しないものもいます。
ジャクソンカメレオンの寿命は5〜10年程度、値段は2.5万〜4万円程度であることが多いです。
コノハカメレオンは名前の通り木の葉(コノハ)のような見た目で、サイズが平均6センチ、最大でも9センチ程度と小型でかわいいカメレオンです。
コノハカメレオンの寿命は2〜5年程度、値段は5,000円〜2万円程度であることが多いです。
爬虫類好きの間では、カメレオン飼育は難しいことで有名です。
どうしてもカメレオンじゃなきゃダメだ!という人以外は飼えないとまで言われています。
それではカメレオンの何が難しいのか、みていきましょう。
まずは、ほとんどのカメレオンが神経質であること。
基本的に、ストレスを感じやすいトカゲです。
人が見ている、音がする、他の生き物が見える、こういったことがすべてカメレオンのストレスになります。
しかも目が良いために「閉じ込められている」ことに気づいてしまうことが多く、狭いケージでは飼えません。
ちなみに、私は8センチのセネガルカメレオンを飼うために高さ60センチのケージを使い、正面以外は目隠ししていました。
次に、脱水になりやすいのに水を認識しないこと。
水入れに溜まった水は認識しないので(目がいいのに・・・)、給水ドリッパーという器具で常に上から水を垂らしておく必要があります。
常に水を垂らしておくため、当然こまめに手入れをしないと、ケージ下部が水浸しになります。
そして、餌の食いムラがあること。
基本的に昆虫食ですが、同じ餌ばかり続けていると突然食べなくなります。どうも、飽きるようです。
こんなときは普段と違うものを与えるなど、工夫しなければいけません。
こうしてみていくと、カメレオンのために用意しなければいけないものや手間が多く、まさに「カメレオンじゃなきゃダメ」な人が飼うべきトカゲだといえます。
ここまで読んでもカメレオンを飼いたい!という方におススメなのが、エボシカメレオンです。
「カメレオン界の異端児」とまでいわれるほど、カメレオンとしては丈夫で飼いやすい部類に入ります。
ただし、成長が早く大型になるので、最終的に大きなケージを置く覚悟で飼育しましょう。
サイズはオスが平均で50〜60センチ程度、メスの方がやや小さく平均35〜40センチ程度になります。
初めてエボシカメレオンを飼う場合、小さなベビーは弱いため避けるべきです。
全長10センチ程度まで育った個体から始めましょう。
全長10センチ以上のサイズなら、30×30×45センチくらいのケージでも飼育できます。
ただ、大きくなったエボシカメレオンを飼育できる既製品のケージはなかなか見当たらないので、思い切って大型オウム用の鳥かごを使うのも一手です。
この場合、部屋ごとエアコンで温度管理して、基本の温度を保つようにします。
空中湿度が必要なトカゲなので湿度維持がポイントになりますが、ケージ内にポトスなど丈夫な観葉植物を入れることで湿度の目安にできます。
ポトスがちゃんと育っているのなら、カメレオンも大丈夫でしょう。
ドリッパーの水もポトスに当たるようにすれば、水浸しになるのを防げます。
地上を歩くことはほとんどないので、床材はキッチンペーパーなどで構いませんが、つかみやすい太さの枝などを複雑に組んでやり、カメレオンが立体的に動けるようにしてやりましょう。
その一部にバスキングライトを当て、紫外線を出すライトも付けます。
いずれのライトも取り付けるスタンドが必要なのでお忘れなく。
基本の温度を保つため、ケージ側面にパネルヒーターを貼りましょう。これで、セッティングは完了です。
餌は基本的にコオロギですが、先述の通り飽きて食べなくなることがあります。レッドローチなどの餌用ゴキブリだと食べることもあるので、コオロギを食べなくなったらいろいろ試してみるしかありません。
どの餌を与える際も、カルシウムとビタミンD3を添加するのを忘れないようにしましょう。
先述の通り水入れの水は認識しないため、給水ドリッパーという器具で常に上から水を垂らしておきましょう。
ちなみに、私が飼っていたセネガルカメレオン(Senegal Chameleon)は小型でわりと飼いやすいのですが、野生採集個体が売られているので病気になっている個体がいたり、寄生虫がついていたりします。
また、販売されている時点ですでに寿命間近、なんてこともあるので、あまりおススメはしません。
通常の昼行性トカゲ飼育セットに加え、給水ドリッパーに餌のレパートリーを考えたりと、何かを気を使わないとカメレオンは飼えません。
ただ、そこまでしてでも飼う価値のあるトカゲともいえます。
いつかはカメレオン!と思っている方、ぜひエボシカメレオンからチャレンジしてみてくださいね。
それではまた!