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2022年02月21日 02:19
こんにちは、ENGI MAG編集部です!
ウーパールーパーといえば、爬虫類や両生類が好きでない方でも、名前だけで十分イメージが伝わるほどの有名種ですよね。
にんまりした顔に、ゆらゆら漂うエラ、透明感のある体色と、まさに癒し系の塊のような可愛い生き物であるウーパールーパー。
そんなウーパールーパーですが、実は初心者でも飼いやすい生き物でもあります。
というわけで今回は、そんなウーパールーパーについて、生体や実際の飼い方などについて詳しくご紹介いたします!
目次
多くの人が知っているウーパールーパーですが、実はたくさんのヒミツをもった生き物です。
ここでは、代表的なヒミツを3つご紹介しましょう。
まずは、名前です。
ウーパールーパーという名前は、正式名称ではありません。
というか、出所不明のよくわからない名前なのです。
日本の業者がウーパールーパーを輸入して売る際、商品名として名付けたという説が有力ですが、どうして“ウーパールーパー”と名付けたのかはわかりません。
もちろん英語ではないし何語でもないので、海外の方には通じません。正式な名前はメキシコサンショウウオ(Ambystoma mexicanum)です。
他にも、メキシコサラマンダーや、アホロートルなどとも呼ばれますが、アホロートルは幼形成熟(詳しくは後述します)のトラフサンショウウオ科個体の総称なので、ウーパールーパー以外を指す場合もあります。
次にあの不思議な姿ですが、これにもヒミツがあります。
水中にすむイモリやサンショウウオの仲間を総称して水生サラマンダーと呼びますが、ウーパールーパーも水生サラマンダーの一種であり代表種です。
当然、姿かたちもイモリやサラマンダーに似ていなければならないはずですが、かなり違いますよね。
実は、ウーパールーパーは「ネオテニー(幼形成熟)」といい、幼生の姿のまま成熟して大人になるのです。
逆に言えば、イモリやサンショウウオの幼生は、ウーパールーパーのような姿をしています。
通常はかなり特殊な条件下で起こる珍しい現象なのですが、なぜかウーパールーパーはネオテニーが普通になっています。
ウーパールーパーの成体、これはこれでかっこいいな… pic.twitter.com/b5BBMSwPEk
— HMA-04 (@HMA04) January 28, 2019
ちなみに、ウーパールーパーを浅い水で飼育すると、ごくまれにネオテニーが解除され陸化し、大人の姿のサラマンダーになることがあります。
ただし、陸化したウーパールーパーの成体は寿命が短くなるので注意が必要です。
もう一点、ウーパールーパーにはヒミツがあります。実は絶滅危惧種だ、ということです。
野生のウーパールーパーはメキシコのソチミルコというところにある湖と、その周辺にしか生息しておらず、現地の環境変化でどんどん数が減っています。
日本でのウーパールーパーの値段は、安くて700〜1500円、高い種類でも5,000円程度とかなり安価に販売されていますが、これはソチミルコで捕まえてきた個体が売られているのではなく、業者やブリーダーが繁殖させた個体が出回っているためです。
絶滅が心配されるほど数が減っている一方で、飼育繁殖が簡単なので、世界中でペットとして愛されているのです。
名前は由来不明の造語で、ネオテニーという特殊な現象で姿を保ち、しかも野生では絶滅危惧種…
こうしてみると、やはりなかなかミステリアスな生き物ですよね。
水生サラマンダーであるウーパールーパーの生体についても触れておきましょう。
ウーパールーパーは肉食で、自然下では昆虫、甲殻類、魚などを食べる、卵生の両生類です。
ウーパールーパーは平均25cm程度の大きさまで成長し、最大では30cmを超える場合もあります。
また、成長が速く、孵化してから6ヶ月程度で体長20cm程度まで一気に成長するのも特徴です。
ウーパールーパーの寿命は概ね5〜8年程度で、最大では15年程度生きることもあるそうですが、適切な飼い方ができていない場合は2〜3年で亡くなってしまうことも少なくありません。
また、先述の通りネオテニーが解除され変態し陸化した場合は、寿命が短くなると言われています。
様々な色のバリエーションがあるのも、ウーパールーパーの特徴です。
体色は大まかに分けるとアルビノやリューシスティックといった白色のタイプと、マーブルやブラックといった黒色のタイプ。
目の色は黒目や白目(赤目とも呼ばれます)、金環(黒目の周りに金色の環があるタイプ)などがあります。
それ以外にも、まさに色々な色のウーパールーパーがいますので、是非ペットショップで探してみてください。
では、そんな魅力たっぷりのウーパールーパーを実際に飼ってみましょう!
基本的には、「金魚の飼育〇点セット」などとして売られているセット水槽を、そのまま使用すれば飼育できます。
必要なものがセットに含まれない場合も少なくないので、先に必要なものをザッと解説すると、
といったものが必要となります。(それぞれ詳しく後述します)
飼育のイメージはこんな感じです。
今回は家にあったあり合わせの器具でセッティングしたので、ちょっとちぐはぐな印象があるかもしれませんが、セット水槽ならもうちょっと統一感のあるおしゃれな雰囲気になります。
ウーパールーパーは先述の通り最終的には25cm程度と、思った以上に大きくなります。
不活発なので大きな水槽はいりませんが、45cmくらいの水槽は用意しましょう。
30cm水槽でも飼えないことはありませんが、見ていて狭く感じます。
売られているウーパールーパーは、多くの場合5cm足らずだと思いますので、最初は30cm水槽で、ウーパールーパーの成長に合わせて水槽を大きくしても構いません。
だいたいのセット水槽にはガラスのフタが付属しますが、フレームレスなどおしゃれな水槽だとフタがないこともあります。
よほどのことがない限り、ウーパールーパーが飛び出してくることはないので、フタがなければないで問題ありません。
▲ちなみに上記セットの内容は「曲げガラス水槽、高輝度LEDライト、上部フィルター、ガラスブタ、飼育の手引き」です。
フィルターはなくても飼えないことはありませんが、毎日水替えすることになります。
セット水槽についてくるものをそのまま使用して構わないので、フィルターは使用した方がいいでしょう。
ウーパールーパーの適温は15〜20℃程度で、前後しても10〜25℃程度におさめる必要があるため、ウーパールーパーが快適に過ごしているかどうかを知る目安として、温度計を使用します。
夏場に水温が27℃を超えるようなら、エアコンで室温自体を下げたり、水槽用のクーラーを使うなど、水温を下げる工夫を考えましょう。
比較的寒さには強いので、水温が低い分には、そう大きな問題にはなりません。
カルキ抜き(水道水に含まれる塩素を抜く作業)については、まず最初の水槽セット時に使用します。
その後「カルキ抜きをしない」という方もいらっしゃいますが、カルキはウーパールーパーにとっては毒なので必ず水換えの度に新しい水に対して行うようにしましょう。
また、カルキ抜きはきちんと使用量通りに使用するようにしましょう。
餌はショップなどで与えられていたものをそのまま与えればいいでしょう。
ほとんどの個体が人工餌に餌付いてくれます。
ただ、浮いている餌をとるのは苦手なので、できるだけ沈むタイプの餌を使いましょう。
まだ身体が大きくない(目安として5〜10cm程度)ウーパールーパーにはノーマルサイズ(小粒)の餌を、それ以上のウーパールーパーには大粒サイズの餌がオススメです。
▼ノーマルサイズ
▼大粒サイズ
水替えは数日に一度、水槽用のクリーナーで底にたまったごみを水ごと吸い出し、減った分の水を足します。全水量の1/3~1/2くらいを入れ替えるようにしましょう。
もし、器具を別々に買いそろえるときも、ここまでの内容を参考にしていただければと思います。
付け足すとしたら照明と床材ですが、照明は完全にお好みです。
あまり明るい環境は好まないと言われていますが、私が知る限り、明るさを気にして飼育に影響が出るような個体はいないと思います。
床材は、敷かない方が管理しやすいでしょう。
砂利などを敷いたほうが足場ができてウーパールーパーが落ち着き、水質も安定しやすいのですが、餌と間違えて飲み込む事故が多く聞かれるので注意が必要です。
要するに、ウーパールーパーはちょっと魚を飼ったことがある人なら誰でも飼える生き物だということです。
魚を飼ったことがない方でも、きっと魚より気楽に飼うことができるはず。
水槽を置く場所さえあれば飼えますので、気になった方はぜひ飼ってみてくださいね。
執筆・一部写真提供:GJ