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2022年03月07日 21:46
こんにちはENGI MAG編集部です!
カメは、日本でも身近な水辺で多く見られるため、爬虫類としては群を抜いて一般的というか、なじみ深い生き物ですよね。(ちなみにカメは両生類ではなく、爬虫類です。)
が、飼育するとなるとちょっと物理的に難しい条件が多い生き物でもあり、筆者は基本的にカメの飼育はあまりオススメしていません。
そんな中で、私が自信をもってオススメできる数少ないカメが、ミシシッピニオイガメです。
というわけで今回は、そんなミシシッピニオイガメについて、実際の飼育方法などと併せて詳しくご紹介いたします!
目次
ミシシッピニオイガメは名前の通り、アメリカのミシシッピ川に生息する…と言いたいところですが、ミシシッピ川に限らず北米に広く分布するカメで、一部ではカナダにも分布しているのだとか。
北米は日本と同様に四季のある地域も多く、寒い地域に生息する個体は冬眠することが知られています。
水から上がることはほとんどなく、浅瀬などで日光浴をすることはありますが、基本的にはしっかりと陸に上がって日光浴をすることはほとんどありません。
ニオイガメというのはカメのグループのひとつで、ずんぐりむっくりとした体型の種が多く、小型種が多いのも特徴です。
ミシシッピニオイガメも例に漏れず、甲長は平均8〜10cmくらいで、最大でも13cm程度にしかなりません。
雑食性で、エビやカニなどの甲殻類、魚、水生昆虫、水草と、様々なものを食べています。
ミシシッピニオイガメは、その名前から常に臭いカメと思われがちですが、外敵に襲われた時以外に刺激臭を出すことはほとんどありません。
そのため通常の飼い方をしていれば、他の水棲のカメと臭いは大差ありません。
寿命は平均で15〜20年程度、最大では30年も生きるとされていて、長寿の生き物です。
そのため、飼育なさる場合はくれぐれもご自身の環境などを考慮するようにしましょう。
流通量も多いため、ベビーが3,000〜6,000円程度で販売されていることが多いです。
さて、そんなミシシッピニオイガメが、ペットとして優れている点はどんなところでしょうか。
まずは、その大きさです。
カメというのは、一般的にイメージされているよりも大きく、活発な生き物です。
たとえば、日本でよくみられるクサガメは平均で甲長20cmほどになりますが、甲長20cmのカメを上から見るとB5のコピー用紙くらいの大きさに見えます。
この大きさのカメがじゅうぶん動き回れる大きさのケージとなると、それなりの大きさが必要になってしまいます。
ところが、ミシシッピニオイガメの場合、平均で甲長8〜10cm程度、最大でも13cm程度。
アダルトサイズまで育っても、熱帯魚用として一般的な60cm水槽で飼育できます。
また、ほとんど上陸しないという性質も魅力的です。
上陸しないということは、陸地を作って飼う必要がないということです。
クサガメなどでは、カメが上陸して十分に体を乾かせる陸地と、ホットスポットとなる高温のバスキングライト、紫外線ライトが必須ですが、ミシシッピニオイガメではこのいずれも必要ない場合が多いです。(日光浴について詳しくは後述します。)
食性も雑食性なので、市販されているカメのエサで飼育できます。
水質にも水温にもそこまでうるさくなく、丈夫で飼いやすいカメです。(水温について詳しくは後述します)
では、実際にミシシッピニオイガメを飼ってみましょう!
ショップではベビーサイズからヤングサイズ、アダルトサイズまで、わりと見かける機会の多いカメですが、ミシシッピニオイガメのベビーサイズですと10円玉くらいの大きさしかありません。
さすがに、そんな小さなカメに60cm水槽では大きすぎて管理が大変なので、幅20cm程度のプラケースを使うといいでしょう。
甲長5cmを超えた個体なら、60cm水槽で終生飼育でき、熱帯魚用に売られているセット水槽がそのまま使えます。
上記写真はカブトニオイガメですが、ミシシッピニオイガメとほとんど変わらないカメです。
御覧の通り、60cm水槽に上部フィルターと、熱帯魚用のセット水槽をそのまま使っています。
個体が小さいうちは水草などを入れてレイアウトを楽しみ、大きくなってきたら徐々にシンプルにしていくといいでしょう。
(隠れ家などはあった方が良いです)
ミシシッピニオイガメは基本的に水深の浅い場所を好むカメなので、水の量は泳いで鼻が水面に出せる程度の深さにしておきます。
60cm水槽くらいであれば満タンに近いくらい水があっても問題ありませんが、水深は60cm程度までにしましょう。
ベビーではあまりに深いと心配ですが、ある程度育った個体なら多少深くしても大丈夫です。
水換えの頻度は、フィルターがついていれば週に1回程度でも構いませんが、フンや食べ残しで汚れますので、理想は1日に1回です。
日光浴については「一切必要ない」という意見と「紫外線を浴びてビタミンD3やカルシウムを得たり、甲羅などの殺菌をするため、週に1〜2回程度は日光浴をしてあげた方が良い」という意見で分かれることも多いので、ペットショップの方に相談したり、体調を見て日光浴をしてあげるといいと思います。
浮島や、陸地を作っている場合で陸地に上がる場合などは日光浴を求めている可能性がありますので、ベランダやお庭などで5〜10分程度行ってあげましょう。
その際、鳥などの外敵には要注意です。
また、外気温が低すぎたり高すぎたりする場合は無理に外に出さないようにしましょう。
エサはカメのエサとして売られているものをそのまま使います。
ベビーなら毎日与えますが、ヤングサイズからは数日に一度でいいでしょう。
餌の量は、カメの頭1〜2個分程度を目安とするのがオススメ。
(次項でもお話ししますが、ベビーの場合食べるだけ食べさせても大丈夫です。)
※上記写真の餌はレプトミンではありませんのでご了承ください。
手足を引っ込ませて、肉がはみ出るようであれば肥満なので、餌の量を調整しましょう。
ミシシッピニオイガメの適温は水温23〜30℃程度。
室内飼育の場合基本的に常温で飼育できますが、ベビーの場合はできればパネルヒーターで保温し、なるべくたくさん餌を食べさせて、早く大きくしましょう。
長寿のカメということもあり、最後まで面倒を見きれなそうな方は安易に飼うべきではありませんし、そういった状況はあまり考えたくないことですが、万が一手放さなければならない事情ができた場合は、必ず里親を探すか、ペットショップに引き取ってもらいましょう。
野外に放すとそのまま定着してしまい、深刻な環境問題になる可能性がありますので絶対にやめてください。
大きさといい飼いやすさといい、これほどペット向きのカメもそうそういません。
ミシシッピニオイガメはこれからカメを飼いたいという方にピッタリのカメなので、是非ペットショップなどでお気に入りの子を探してみてください。
それではまた!
執筆・一部写真提供:GJ